◆GXとは
2022年7月、政府がGX担当相を設置すると発表した事で、日本でも「GX」という言葉が注目されています。
GXとは「グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)」の略称です。
グリーントランスフォーメーションとは、環境に配慮した技術を用いることで、産業構造を変革(トランスフォーメーション)するという取り組みになります。
地球環境のために、産業の見直しを行い、経済成長に繋げる。
GXは経済成長と環境保護を両立する成長戦略として、今では多くの国や企業に取り入れられています。
◆GX=エコロジーと経済を循環させる
・海外の取り組み
ヨーロッパでは、2019年に欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が「
A European Green Deal(欧州グリーンディール)」を発表しました。
この中で、EUは「2050年に温室効果ガスの正味排出量がなく、経済成長が資源の使用から切り離された、現代的で資源効率の高く競争力のある経済と公正で繁栄した社会へと変革していくことを目指した新たな成長戦略」、「自然資本を保護、保全、強化し、環境関連のリスクと影響から市民の健康と福祉を保護」を謳っており、なおかつこれらの「公正かつ包摂的(just and inclusive)な移行」を目標としております。
また、「グリーンディールの環境に対する野心は、ヨーロッパのみの行動では達成されない」と明記されており、世界全体に向けて、地球環境の改善・自然災害の軽減・産業の見直し・経済発展・健康と福祉の保護について、共に歩もうと呼びかけています。
・日本の取り組み
上記を受けて、日本政府は2020年10月、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするという宣言をしました。それに伴い、経済産業省は産業政策として「
2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。
この中では分野を細分化し、14の目標が掲げられました。その目標をテーマ毎に分けると「エネルギー関連産業」「輸送・製造関連産業」「家庭・オフィス関連産業」の3つになります。
また、「企業の前向きな挑戦を後押しする政策ツール」として、予算・税制・金融・規制改革・標準化、国際連携など多くの政策を含めた実行計画として策定しました。

カーボンニュートラルの産業イメージ(出典:経済産業省)
◆CO2の削減に向けて
世界的に気候変動に伴う自然災害への対策として、温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)の排出量を実質的にゼロの状態にする、脱炭素化社会の実現に向けた動きが加速しています。
・自然エネルギーを用いた発電
主な発電方法として、風力・太陽光・水力・地熱産業が挙げられます。これらは、発電の際に炭素が発生しません。
また、木屑や燃えるゴミなどを燃焼する際の熱を利用して電気を起こす、バイオマスも注目されています。
一見、燃やすことでCO2を排出しますが、木々が成長する際に行う光合成によって、大気中のCO2吸収する事から、排出と吸収でプラマイゼロになるという炭素循環の発想です。
このように、CO2の増減に影響を与えないという考え方を「カーボンニュートラル」と呼びます
。
・ライフスタイルの見直し
政府が設定した2050年までに、カーボンニュートラルでありながら、無理なく快適な生活を実現する為には、企業努力はもちろん、一人ひとりがエコロジーについて考える必要があります。
最近では、省エネ機器の導入や再エネの活用に応じて付与される「
Jークレジット」の整備が進められています。Jークレジットとは『省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度』です。
省エネ対象の照明設備やエアコンの導入や、再生可能エネルギーである太陽光発電設備の導入などにも適用され、ますます国全体でエコロジーへの意識が高まってきました。
◆クリーンな環境と社会の共生を
2050年は遠い未来の話ではありません。一人ひとりにとって身近な省エネ・再エネの導入、企業様向けに自家消費発電や、売電のご提案を行うことで、地球環境改善と経済発展の好循環を生み出すという発想で取り組んで参ります。